企業型確定拠出年金,個人型確定拠出年金,iDeCo,違い

企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金 (iDeCo) の違い

定義と制度の概要

日本の年金制度全体について

日本の年金制度全体としては、1階部分として、20歳以上の全国民が加入する国民年金があります。
これは、加入期間の長さによってもらえる金額が決まります。

次に2階部分として、自営業者やフリーランスが加入する国民年金基金、民間のサラリーマン・公務員等が加入する厚生年金保険があります。
国民年金基金は任意加入ですが、厚生年金保険は強制加入になります。
なお、2015年に公務員等の共済年金が厚生年金保険に一元化されました。

さらに3階部分として、従業員を対象として企業が独自に運営する企業年金制度があります。

この年金制度に加えて、確定拠出年金の制度があります。
確定拠出年金とは、拠出された掛金とその運用益との合計額をもとに、将来の給付額が決定する年金制度です。

掛金を事業主が拠出する企業型確定拠出年金と、加入者自身が拠出する個人型確定拠出年金の2種類があります。

国民年金、厚生年金、企業年金等の年金制度は、確定給付年金といって国や企業が将来の年金額を保証していますが、確定拠出年金は、加入者自身が資産を運用するため将来支給される年金額はその運用次第で変わってきます。

加入方法と掛金の違い

加入方法

企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金については、企業が企業型確定拠出年金を導入していれば、従業員は企業型確定拠出年金に加入することができます。

個人型確定拠出年金

個人型確定拠出年金については、ご自身で加入手続きをすることになります。
先ずは個人型確定拠出年金の加入資格があるかどうかの確認をする必要があります。

個人型確定拠出年金の掛金は、月々5,000円以上1,000円単位で、ご自身の加入資格に沿った限度額の範囲内で設定することができます。
また、掛金の拠出を1年の単位で考え、加入者が年1回以上任意に決めた月にまとめて拠出（年単位拠出）することもできます。
ただし、企業型確定拠出年金に加入している方ついては年単位拠出は選択出来ませんので注意が必要です。

また、掛金額を決めるにあたっては、基本的に60歳になるまでは引き出せない資産であることを考慮し、無理なく継続して拠出できる掛金額を設定することをお勧めします。

掛金額は、1年（12月分の掛金から翌年11月分の掛金（実際の納付月は1月〜12月））に1回だけ変更することができますので、ご自身の状況の変化に合わせて、掛金額を増減することも可能です。
また、いつでも掛金の拠出を止めることが出来ます。

掛金

企業型確定拠出年金

・確定給付型の年金を実施していない場合：55,000円／月
・確定給付型の年金を実施している場合：27,500円／月
※マッチング拠出の限度額は、事業主掛金額を超えず、かつ、事業主掛金額とマッチング拠出による事業主掛金額の合計が55,000円／月（確定給付型の年金を実施している場合は27,500円／月）の範囲内。

個人型確定拠出年金

国民年金第１号被保険者（自営業者等）

国民年金第１号被保険者（自営業者等）の場合、68,000円／月になります。
※　国民年金基金の掛金、または国民年金の付加保険料を納付している場合は、それらの額を控除した額

国民年金第２号被保険者（厚生年金保険の被保険者）

国民年金第２号被保険者（厚生年金保険の被保険者）の場合、
・　確定給付型の年金及び企業型DCに加入していない場合（公務員を除く）は、23,000円／月
・　企業型DCのみに加入している場合は、20,000円／月
※　企業型DCの事業主掛金額との合計額が55,000円の範囲内
・　確定給付型の年金のみ、または確定給付型の年金と企業型DCの両方に加入している場合は、12,000円／月
※　企業型DCの事業主掛金額との合計額が27,500円の範囲内
・　公務員の場合は、：12,000円／月

国民年金第３号被保険者（専業主婦（夫）等）

国民年金第３号被保険者（専業主婦（夫）等）の場合、23,000円／月になります

運用・取扱・管理機関の違い

確定拠出年金の管理運営機関とは、確定拠出年金の制度を運営する専門的な金融機関のことをいいます。

企業型確定拠出年金の場合は、厚生労働省と金融庁の承認を受けた銀行、証券、生命保険会社、損害保険会社などです。
確定拠出年金を導入する事業会社をサポートして規約を作成したり、従業員が投資する商品ラインアップを用意したりします。
また、各企業の規約がスタートした後も、企業や従業員に資産運用や投資教育に関する情報を継続して提供しています。

個人型確定拠出年金の場合は、国民年金基金連合会の委託を受けた銀行、証券、生命保険会社、損害保険会社などです。
個人型確定拠出年金の加入者に商品提示や投資教育などを実施しています。

企業型・個人型確定拠出年金の運営管理機関には、「記録関連運営管理機関」と「運用関連運営管理機関」があります。